不透明な月謝システム
塾に通う上で避けて通れないのが月謝。
ただ「月謝」には「教えてもらう謝礼として毎月支払う金銭」というのが元々の意味ですから、サービス業である塾としては意味が異なる為、「授業料」という名目の所が多いですね。
ここでは便宜上、「月謝」という表記をします。
塾を選ぶ時に「月謝」の額も大きな検討材料の1つです。
ですが、この「月謝」には罠がありますので御注意を。
例えばAという塾は月謝が1万円、Bという塾は月謝が1万5千円。
どちらも内容的に変わらないし、悪い評判も聞かないという場合、月謝の額からAという塾を選んでしまいそうですが、他にも塾にはイロイロと費用が必要な場合があります。
以下が「月謝」の他に塾によっては必要な経費です。
【入塾時】
・入会金 ・教材&テスト費 ・施設費(光熱費)
【季節毎】
・季節講習費 ・講習テキスト代
他にもエゲツない所ですと学年が上がる毎に別途更新料が必要だったりします。
月謝の額についても塾によって「科目数」や「授業回数・授業時間」が異なりますので、1コマあたりいくらか計算して検討されるのが賢明ですし、最終的に年間でどの位、必要なのかよく確認するのが吉です。
また塾の月謝はアバウトな部分がありますね。
毎月、定額の月謝の塾ってどうでしょうか?
月によって授業回数は異なるワケですし、特に3月・7月・12月は月の後半から季節講習が始まりますので通常授業回数は少なくなりますが、月謝が定額制の塾ですと7月でしたら、7月の授業料+夏期講習代を支払わなければなりません、かなり高額になります。
この月謝定額制についてツッコミを入れると、間違いなく次のいずれかの答えが返ってきます。
@ 「本部で決められている事なので詳しくは分かりかねます。」
A 「当塾は年間の授業料を12で割った平均で1ヶ月あたりの授業料を算出しています。」
@の対応はお話にならないとして、Aの回答はマトモに聞こえると思いますが、よく考えると1月から入塾するのであればともかく、平均である以上、入塾するタイミングによっては不要な負担をさせられる事が分かります。
一番、良心的なのはチケット制ですが、英会話教室や個別指導塾では実施されていても集団塾では、ほとんど聞かないという現状がありますね。
チケット制まではいかなくても、私が在籍していた塾がそうでしたが、授業回数によって授業料が異なるシステムなら、まだ良心的と言えるでしょう。
ただ、欠席や遅刻をして授業を受けられなかった場合はどうなるのか?
よく、「当塾では欠席しても補習をします!」と謳っている所もありますが、欠席した生徒が多ければ多い程、限界がありますし、まして毎日、朝から晩まで教室が埋まってしまう季節講習では不可能に近いものがあります。
そもそも、こういう問題が発生するのは、ほぼ全ての塾が月謝は前払い制(前月引き落とし)だからです。
理想になりますが生徒にIDカードを発行して出欠を管理、補習を行った場合は半額を翌月に請求という仕組みの月謝制度であれば明朗な月謝体系が作れると思います。
まぁ、月謝専門の部署を作らなければ現実的ではないですが、他の業界と比べると不透明な費用体系が未だにまかり通っている事に、誰かしら気づいて実行しなければならないのではないかと。
他の費用の裏側については次章で解説します。
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