塾選びのチェックポイント
塾を選ぶときのチェックポイントです。
このチェックポイントを活用すれば大きな失敗は未然に防げるでしょう。
いくつかのパートに分けていきます。
【電話問い合わせ編】
1.明るくハキハキとした声で対応しているか?
電話応対の声は教室の雰囲気をよく表しています。活気があったり、スタッフ間の仲が良いと自然と声も明るくハキハキするものです。
特に先生で声がボソッとしているのは講師として致命的ですし、サービス業に携わる意識も薄い事から、入塾後のサービスについてもたかが知れています。
それ以前に社会人として電話応対で明るくハキハキ対応できないのは問題かと思いますが…。
ちなみにブッキラボウな電話対応をする所は、何かあった場合に責任転嫁しそうだなと感じられますね。
2.こちら側の話を最後まで聞いてくれているか?
緊急時でもないのに、顧客が話している途中で、話を遮ってペラペラ話してくる所も大きなマイナスポイントです。
人の話を最後まで聞かないというのは特に塾講師としては問題です。
生徒や保護者の話を最後まで聞かずに、勝手な判断でベラベラ話す講師って安心できますか?
デキる講師ほど、相手をよく知る為に話をよく聞きますし、雑談以外では必要最低限の事しか話さないものです。
傾向的に、勝手にベラベラ話す場合は自分に自信が無いことを隠す為の防衛本能とか、相手に考える隙を与えない攻撃的なタイプ、話の目的や相手の事を考えていない空気を読めないタイプと言えます。
3.問い合わせ内容に的確に回答できているか?
さすがに詳細な月謝額や教材費等は即答できなくてもOKですが、時間割や指導方針やカリキュラムはすぐに答えられなければNGです。
レストランでウェイターにどんな料理が尋ねて「きっと、美味しいですよ」としか言われず、オイオイというのと同じです。
4.教室全体の人数と子供の学年の人数を聞いておく。
できたばかりの塾ですと仕方がありませんが、開校してそれなりに経過している塾であまりにも人数が少ない場合は、少ない理由を考えてみる事をオススメします。
大体、以下の理由で生徒が少ないはずです。
@ 既にある他の大手塾の独占状態にあるパターン。
→この理由だけでは、その塾の良し悪しは分かりません。
良い塾でも市場原理で思うように生徒が獲得できない事も多々、あります。
A 成績が上がらない、先生がコロコロ変わるetcのマイナスのイメージや口コミが浸透している場合。
→敬遠した方が吉です。火の無い所に煙は立ちませんので、見送った方が良いでしょう。
B サービスや内容的に良くても…
→広告宣伝を行っていなかったり、集客や営業活動に力を入れられていなかったりしていて認知されていない事が考えられるので、この理由では何とも言えません。
C 退塾者を多く出しているパターン。
→退塾の理由は様々ですが、多くの生徒が退塾した場合は、その塾で何か良くない事があったという理由がほとんどです。このケースは見送った方が賢明です。
5.無料体験を実施しているか?
→今や学習塾で無料で授業を体験できるというのは当たり前です。生徒や御家庭サイドでも「自分(子供)に合った塾かどうか?」見れるワケですし、塾サイドでも「責任もって預かれるかどうか」を判断できるシステムですので無料体験ができるかどうか是非、問い合わせましょう。
ちなみに無料とは言いつつも教材代の負担がある場合もありますので事前に確認しておきましょう。
また塾によって3回の授業までとか1ヶ月間etc、体験期間も異なりますので併せて事前に確認です。
【受付編】
1.身だしなみについて
→今まで自分が見てきて、スーツがヨレヨレ、ネクタイの締め方もユルユルな人はあまり仕事もできませんでした。
また清潔感が無い人は生徒も近寄りにくい等のデメリットはあってもメリットは何1つありません。
これは実際に会った時の直感になりますが、生理的にチョットと思ったらマイナスポイントとして計上しておくべきです。
2.講師(社員)が対応しているかどうか。
→指導方針や内容、使用している教材や実際にいる生徒の様子etcの情報は受付や事務員さんでは把握できていない場合がほとんどですので、実際に来室した保護者対応は講師(社員)が基本です。
ただ状況的に社員(講師)が対応できない場合もありますので、これだけで○か×かの判断は下せませんが顧客に向き合う姿勢という部分では参考になるでしょう。
3.掲示物のチェック。
→掲示物の内容や貼り方も、その塾(教室)の様子をよく表しています。
期限がとっくに過ぎた掲示物がいつまでも貼られていたり、ボロボロの掲示物が放置されている場合は、講師やスタッフが無頓着であるか、掲示物のメンテナンスに目が向かないほど余裕が無い証です。
4.全体的に整理整頓ができているか?
→子供にとって塾で過ごす時間も大きいものです。
言い換えればお子様の成長過程において塾が与える影響も大きいと言ってよいでしょう。
そう考えると大人が自らプリントやら備品等を散らかしていたり、乱雑に扱っているのは好ましくないかなと。
でも、整理整頓ができていない教室が多いのもまた事実です。
特に試験前は配布プリントや教材が多くなるので大変という事情も分からなくもないですが、大人の手本として整理整頓は心がけて欲しい物です。
5.言葉遣いと目線
→最初にこちらの目を見て話さない講師であったら、その塾はパスした方がいいでしょう。
理由は言うまでもないですが、人相手の商売(あえて商売と言います)で、目を見て話さないのは論外です。
あとは言葉遣いです。
それなりに面識があったり、付き合いが長くなっている親御さんならともかく、初対面の人に対してさえも馴れ馴れしい言葉遣いの講師(社員)がいます。
場や空気を理解できていないのが原因でしょうが、悪気が無くとも知らず知らずに生徒を傷つけてしまうことがあるのが、このタイプの人に多いです。
社会人と自覚していれば、言葉遣いは基本中の基本です。
6.説明の分かりやすさ
→講師が受付対応する場合だったら説明が分かりやすかったかどうか検証してみて下さい。
教えるのが商売ですので大人に分かりにくい説明をしていたら、生徒(子供)にも分かりやすく教えられるワケはありません。
説明が簡潔で分かりやすいか?求めている説明をしているか?etcを見てみましょう。
7.生徒の様子
→もし教室に行ってみて生徒がいたら、生徒の様子を見てみましょう。
その生徒の様子で塾での「躾(しつけ)」の部分が掴めます。
小学生だとやむをえない部分がありますが、授業5分、10分前でも動物園状態になっていたら、チョット注意かもしれません。
しっかりしている塾であれば授業前に忘れ物がないか?宿題は大丈夫か?小テストの勉強は大丈夫か?等の指導をしています。
8.総合的な直感
→言葉では表しにくい直感です。五感以外の直感で感じ取れる何かがあると思います。
気のせいかな?で済ます前に検証してみる事が重要な場合もあるかと。
「何かギスギスしたものを感じた」とか「何か落ち着かない雰囲気だった」というのは何かしらの理由だったり原因があるものです。
【無料体験期間編】
1.まずはお子さんの感想を。
→実際に授業を受けたお子さんの感想が一番、重要です。
ただし「面白かった」だけでは×。友達と話してとか先生が面白い話をしたetcの印象しか残っていないからです。
「分かりやすかったか?」「(勉強が)楽しく感じられたか?」「続けて通えそうか?」というのがポイントです。
2.塾から報告の電話がかかってきたか?
→体験期間中、親御さんは塾での様子が気になるものです。
「宿題はちゃんとやってきているのか?」「何を重点的に力を入れればいいのか?」「(その塾で)やっていけそうなのか?」etcの情報は親御さんから問い合わせるものではなくて、塾側から積極的に伝えるべきことです。
ただ漠然と体験を受けて、体験が終了する頃になって「入会しますかー?」という塾は、入会後の御家庭へのサービスやフォローの程度も知れています。
ただし、特に大手塾に多いのですが、体験期間中に、これでもかという位に御家庭へ電話をかけてきて、親御さんも「何と面倒見の良い塾なんだろう」と感心して入塾したものの、入塾後は放置プレーという事もあります。
これは、新規の入会を取る為の営業意識からのものであり、とかく体験生ばかりに目が行き内部生がおざなりになってしまうというもの。
こればかりは体験期間中に見抜けませんので、知り合いで通塾している人から情報を得たり、「内部生になっても、こんなにマメに電話を頂けるのですか?」と伏線を張っておいたり、言質を取っておくのが良いですね。
3.宿題をチェックした形跡があるか?
宿題は出しているが宿題のやらせっぱなしで終わっているのは×。
最低でも正しい解答や算数であれば正解への途中式etcが書かれていなければ話になりません。
宿題のチェックは「授業中に答え合わせをしながらチェック」、「授業前にノートやテキストを持ってこさせてチェック」、「宿題ノートを回収してチェック」etc先生によって様々ですが、先生がチェックした痕跡が無ければ×と判断です。
デキる先生であれば、1人1人の生徒やクラス全体で「どの部分が理解できていて、どの部分ができていないのか?」を知る材料として宿題を見ているからです。
また宿題の内容も要確認です。
授業の内容とリンクしていなければ、宿題の意味がありません。
あまりにも授業内容とかけ離れていたり、目的が分からない宿題は×です。
4.小テストは実施されているか?
宿題と同様に、小テストも授業内容や単元の理解度を図ったり、家庭学習の習慣づけや学力向上には欠かせないものです。
毎回、何かしらの科目で実施されるのが理想ですが、2〜3回の授業を受けて1回も小テストが無いというのは考えものです。
5.体験前と体験後のお子様の変化。
特に自宅学習面で体験前と体験終了間際で良い意味で何も変化が無ければ、その塾に通っても効果は薄いと判断して間違いありません。
これらのチェック項目を意識して判断材料にする事で、塾選びで失敗する確率はかなり低く抑える事ができるでしょう。
説明や解説無しのチェックリスト表を作成しましたので、使えたら使って下さいませ。
【塾のチェックポイント表ダウンロード(Excelファイル)】
check_point.xls size:34KB Excel2000 Worksheet |
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次章以降は塾業界の裏側について解説します。
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